2026年8月26日、ShopifyはPlus以外のすべてのプランで、Thank youページとOrder statusページのスクリプト実行を停止しました。広告管理画面で急に購入が計測されなくなったなら、原因はほぼ間違いなくこれです。この記事では、ストアへの影響の確かめ方、Facebook、TikTok、Pinterest、GA4のピクセルをCustomer Eventsへ移行する手順、そしてコンバージョンが再び届いているかの確認方法を解説します。

ステップ 018月26日に何が停止されたのか、あなたのストアは対象か

2026年8月26日、ShopifyはPlus以外のすべてのプラン(Basic、Grow、Advanced)で、Thank youページとOrder statusページにおけるscript tagsと「Additional scripts」欄のコードの実行を停止しました。Plusのストアはひと足先に対象となっており、注文状況ページのスクリプトは2025年8月28日の時点ですでに停止されています。

実際にはどんな影響があるのでしょうか。以前「Additional scripts」に貼り付けたFacebook、TikTok、Googleのピクセルは、「ご注文ありがとうございます」ページでもう発火しません。売上は立っているのに、広告側からはその購入が見えない状態です。アルゴリズムは手探りで最適化を始め、ROASがゼロになった画面を見て「キャンペーンが死んだ」と思い込んでしまうわけです。

自分のストアが対象かどうかは、数分で確認できます。

  1. Settings → Checkout を開き、Configurations セクションを確認します。アップグレードを促す通知が表示されていれば、ページはまだ旧バージョンのままです。
  2. 同じ画面で「Additional scripts」欄を探します。ここにコードが入っていれば、それが動かなくなった部分です。この欄は2025年8月28日以降、閲覧専用になっています。
  3. 直近数週間のShopifyの注文数と、Events Managerの購入件数を比べます。8月26日以降に大きな差が開いていれば、ほぼ確実に影響を受けています。
重要自動アップグレードが行われると「Additional scripts」の内容は削除され、元に戻すことはできません。まだこの欄が残っているなら、今すぐコードをすべて別ファイルにコピーしておきましょう。それが、何を移行すべきかを示す地図になります。

ステップ 02復旧すべきものをリストアップする

何かをインストールする前に、保存したコードを1行ずつ確認しましょう。たいていは4〜5種類のものが入っています。Metaピクセル、TikTok、Pinterest、Google AnalyticsまたはGoogle Adsのタグ、ときにはアフィリエイトのスクリプトや「当店を何で知りましたか」といったアンケートです。

各行について、確認することはひとつだけです。そのサービスにShopify App Storeの公式アプリがあるかどうか。Meta、TikTok、Pinterest、Googleなら答えは「ある」で、これがいちばん簡単な方法です。アプリでカバーできないものは、すべてcustom pixelに移します(ステップ 05)。

いちばん手軽なのは、組み込みのupgrade guideに沿って進める方法です。Settings → Checkout の通知で Review をクリックすると、Shopifyがスクリプトを用途ごとに分類し、すでに対応済みのアプリを表示してくれます。Appsセクションの「Tracking and analytics」にある Manage ボタンから、アプリのピクセル設定に進めます。

ステップ 03FacebookとTikTok: 公式アプリで移行する

新しい仕組みはCustomer Events(Web Pixels)と呼ばれます。ピクセルはもうページにコードとして埋め込むのではなく、ページ閲覧、カートへの追加、注文完了といったShopifyの標準イベントを購読する形になりました。サンドボックス内で動作するため、「Additional scripts」の古いコードをそのままコピーしても動きません。

Meta(FacebookとInstagram)

  1. Shopify App StoreからMeta公式の Facebook & Instagram アプリをインストールします。
  2. ビジネスアカウント、広告アカウント、使用するピクセルを接続します。これまでの統計データを失わないよう、古いコードと同じIDのピクセルを選んでください。
  3. データ共有の設定でレベルを選びます。Standard、Enhanced、Maximumの3段階があります。Shopifyのヘルプによると、ピクセルとConversions APIの両方を使うのはMaximumで、ブラウザだけでなくサーバーからも一部のイベントを送信します。

注意点として、Maximumレベルではマッチングのために購入者の個人データがMetaに送信されます。特にEU向けに販売している場合は、プライバシーポリシーにその旨が記載されているか確認してください。広告費の支払い方法がまだ決まっていない方は、ロシアとベラルーシからFacebook広告費を支払う方法の記事が参考になります。

TikTok

App StoreからTikTokの公式アプリ TikTok をインストールし、TikTok For Businessにログインして広告アカウントとピクセルを選択します。ストアのイベント購読はアプリが自動で作成します。TikTokはセットアップウィザードの項目名を頻繁に変更するので、古いスクリーンショットではなく、実際に画面に表示されている内容に従って進めてください。

ステップ 04PinterestとGoogle Analytics 4

Pinterestも流れは同じです。App StoreからPinterestの公式アプリを入れ、ビジネスアカウントにログインしてタグを選びます。接続後は、テーマや「Additional scripts」に残っている古いPinterest Tagのコードを必ず削除してください。そのままにすると購入が二重に計測されます。

GA4は Google & YouTube アプリをインストールし、対象のGA4プロパティの管理者権限を持つGoogleアカウントでログインして、プロパティを選択・接続します。アプリはチェックアウトでの購入を含むストアの標準イベントを送信します。Googleのヘルプによると、2025年2月2日までにこのアプリへ移行しなかったプロパティはcustom pixelsに変換されています。Settings → Customer events を開いて、そうした「遺産」が残っていないか確認しておきましょう。

ヒント1つのイベントにつき、送信元は1つだけ。GA4をアプリ、テーマのコード、Google Tag Managerで同時に設定するのはやめましょう。3重に設定するとレポート上の購入も3倍になり、どの数字を信じればいいのか何週間も悩むことになります。

ステップ 05アプリがない場合: custom pixel

アフィリエイトネットワーク、アプリを使わないGoogle Ads、ニッチなトラッキングツールには、custom pixelを使います。Shopifyは、この機能がJavaScriptを理解している人向けであり、そうしたコードについてShopifyサポートは対応しないと明言しています。プログラマーでない方は、開発者に任せるか、対応アプリを探すほうが無難です。

Shopifyのヘルプに沿った手順は次のとおりです。

  1. Settings → Customer events でピクセル名を入力し、Add pixel をクリックします。
  2. Customer privacy セクションで Permission を設定します。マーケティングや分析について購入者の同意を必要とするかどうかを指定する項目です。
  3. Code 欄にコードを貼り付けます。コードは注文完了などのShopifyイベントを購読している必要があり、そうでなければ何も送信されません。
  4. Save をクリックし、続けて Connect pixel をクリックします。

接続する前に、theme.liquid と「Additional scripts」から同じピクセルの古いコピーを削除してください。Shopify自身も警告しているとおり、残しておくとイベントが二重に送信されます。

ステップ 06コンバージョンが再び送信されているか確認する

ピクセルの設定は作業の半分にすぎません。残りの半分は、購入が実際に広告管理画面まで届いているかを確かめることです。大変そうに聞こえますが、実際には20分ほどで終わります。

  1. テスト注文。 決済のテストモードを有効にするか、安価な商品で実際に注文して後から返金します。Stripeでのやり方はテスト決済の記事で解説しています。
  2. Shopify Pixel Helper。 Shopify製のChrome拡張機能です。ピクセルが読み込まれているか、どのイベントを購読しているかを表示してくれます。custom pixelの場合は、Settings → Customer events にある Test ボタンを使うと、ピクセルを有効にした状態でストアフロントが開きます。テストできるcustom pixelは一度に1つだけです。なお、Google Tag Assistantはcustom pixelsには対応していません。
  3. Events Manager。 Metaではテストイベントのタブを開き、購入まで一通り操作します。Purchaseイベントが表示されれば成功です。TikTokとPinterestにも、それぞれの管理画面に同様のイベント確認機能があります。
  4. GA4。 「リアルタイム」レポートを確認します。Googleによると、通常のレポートへの反映には最大24〜48時間かかることがあるため、5分経っても標準レポートに購入が出てこなくても慌てる必要はありません。

テスト購入者がCookieバナーで同意を拒否すると、同意が必須のピクセルは発火しません。テストの際はすべてに同意してください。

ステップ 07script tagsを使うアプリとShopify Scripts

これらは別の話ですが、どちらも同じストアに影響します。

script tagsを使うアプリ

Shopifyの公式changelogによると、2026年10月1日以降、アプリはAPI経由でscript tagsを作成・更新できなくなりました。すでにインストールされているものは2027年3月1日までストアフロントで動作し続けますが、その後Shopifyは読み込みを停止します。10月1日からは、こうしたアプリをインストールする際に、機能の一部が動かなくなる旨の警告バナーが表示されます。

やるべきことは、アプリ一覧の見直しです。特に古いレビューウィジェット、チャット、タイマー、ポップアップは要注意です。開発者に連絡して、theme app extensionsへ移行済みかどうか聞いてみましょう。冬までに返答がなければ、2月になって慌てるのではなく、早めに代替アプリを探しておきます。おすすめのアプリはShopifyのおすすめアプリ5選の記事にまとめています。

Shopify Scripts

Plusストアで割引、配送、決済方法に使われていたスクリプトです。2026年4月15日から編集・公開ができなくなり、2026年6月30日には完全に実行が停止されました。代わりとなるのがShopify Functionsで、App Storeの公開アプリか独自のファンクションで利用します。夏ごろに割引が「いつの間にか」適用されなくなっていたなら、原因はおそらくこれです。Shopifyのヘルプには、Scriptsのカスタマイズ内容に関するレポートがあり、何を何に置き換えればよいかを確認できます。

まとめひと晩で終わるチェックリスト

  • Settings → Checkout を開いてアップグレード通知を確認し、「Additional scripts」のコードがまだ見える場合はコピーしておく。
  • そこに入っていたピクセルやトラッキングツールをリストアップする。
  • Facebook & Instagram、TikTok、Pinterest、Google & YouTubeの公式アプリを、これまでと同じピクセルIDで導入する。
  • 残りは Customer events からcustom pixelに移すか、開発者に依頼する。
  • テーマから古い重複コードを削除する。
  • テスト注文を行い、Pixel Helper、Events Manager、GA4でPurchaseが表示されることを確認する。
  • 2027年3月1日までにscript tagsを使うアプリを点検し、Plusの割引がFunctionsで動いていることを確認する。

この記事の日付やボタン名は、執筆時点のShopifyヘルプに基づいています。画面は変わることがあるため、表示が異なる場合は公式のアップグレードガイドとscript tagsに関するページをご確認ください。

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